東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト「団地でめぐるつながりとケアのかたち」開催レポート①

突然ですが、「文化的処方」という言葉をご存知でしょうか。

文化的処方とは、「健康や幸福によい影響を与えるアートや文化活動、そしてそれらを生かした社会的な取り組み」を指します。
人との関わりが減り、孤独・孤立になることは、喫煙や飲酒以上に人の健康に影響し、寿命を縮める──そんな研究結果も報告されています。

今回は、「団地でめぐる つながりとケアのかたち」をテーマに、京都府八幡市の男山地域で実施したワークショップの様子を紹介します。アートや心と身体の健康により、参加者の心の状態や人とのつながりがどのように変化していくのか、そんな実験的な取り組みです。

八幡市の人口の約3割が暮らす男山地域。その大部分を占める男山団地は、1972年に入居が始まった大規模団地です。かつてはご近所付き合いや地域のお祭りなども活発で、日常のなかに自然と交流が生まれていました。

しかし近年、高齢化や単身世帯の増加により、「隣の人がどんな人かわからない」との声も聞こえてきています。

そんな男山団地で開催されたのが、「団地でめぐるつながりとケアのかたち」をテーマにしたワークショップ。

目指したのは、近所に顔見知りが増えること、そして将来的には、住民同士が得意なことや好きなことを活かして集う場が生まれること。日常的な、ささやかな交流が生まれるきっかけづくりとして企画されました。

第1回目のワークショップでは、体操講座と工作ワークショップを実施。

まずは自己紹介から始まります。

前半は、理学療法士・山口遼太郎さんによる「体幹」をテーマにした体操からスタートしました。参加者は20代から80代までと幅広く、それぞれの体力やペースに合わせて、無理のない動きを行います。

体を動かしていくうちに、「やっぱり若い子は違うね」「最近、腰が痛くてね」と、ぽつぽつ心の声がこぼれ始めます。笑いを交えながら会話をしていくうちに、参加者同士で緊張感が少しずつほぐれていきました。

心と身体がほぐれた後は、「ピクニックに行くなら持っていきたいお弁当」をテーマにした工作ワークショップ。フェルトや毛糸、モールなどの素材を自由に組み合わせて、自分だけのお弁当を作ります。

「その表現いいですね」「これはどうやって作ったんですか」と、作品をのぞき込みながら自然と会話が生まれます。最初は手が止まっていた人も、作り始めると気づけば夢中に。

最後には自分のお弁当を紹介し合う様子も見られ、試行錯誤の末に完成したお弁当は、年齢や好みが表れた、個性的な作品たちでした。

みなさんが作ったおべんとう


執筆 藤本恭輔

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